麻しん・風疹が大流行の日本

10月は制服が夏服から冬服に衣替えする時期でもあります。その他にも10月にスタートされるものがあります。

それは『インフルエンザ予防接種』です。10月から病院でインフルエンザの予防接種が開始されますが、お子さんがいるご家庭ではインフルエンザの予防接種を受けるためにスケジュールを組んだり・・と。あんまり早くインフルエンザの予防接種をしてしまうと、せっかく予防接種しても早く効果が切れてしまう気がしてついつい先延ばしにしてしまい、インフルエンザが流行しだして慌てて病院に駆け込んだり・・と任意ということもあって、ついつい忘れがちになってしまうことが多いです。

13歳未満は2回も接種しに行かなくてはいけないので、ちょっと熱が出てしまうと行けなくなってしまうので、受験などを控えていると余計いつのタイミングで接種しようか?!と悩みどころになります。

大人になってから病気になってから病院へ行くことのが当たり前ですが、子どもが小さいうちはとにかくやたらと予防接種が多いのです。

【VPD】という言葉があります。意味は【ワクチンで防げる病気】という意味です。

Vaccine(ヴァクシーン)=ワクチン Preventable(プリヴェンタブル)=防げる Diseases(ディジージス)=病気この3つの頭文字を使って【VPD】と呼んでいます。

赤ちゃんが誕生してから、予防接種をする機会はとても多いのですが医療大国と言われている日本ですが、予防接種制度というのはほかの国と比べるとまだ遅れているのが現状です。公費負担で接種できる予防接種もありますし、任意でする予防接種もあります。

例えば、『ヒブワクチン』は2008年(平成20年)12月から。『小児肺炎球菌ワクチン』は2010年(平成22年)2月から使用できるようになりました。ちなみに、定期接種になったのは2013年(平成25年)からです。

『ヒブワクチン』『小児用肺炎球菌ワクチン』『B型肝炎ワクチン』『ロタウイルスワクチン』は、WHO(世界保健機関)によって貧しい国であっても、無料で接種するように国の定期接種に入れるように指示しています。それも無料で。

日本では任意になっている予防接種で、接種する場合には有料の予防接種で『おたふくかぜ』と『みずぼうそう』がありますが、WHOでは『おたふくかぜ』と『みずぼうそう』も、先進国では無料化することが望ましいと勧告しています。

アメリカを例にとってみると、『インフルエンザワクチン』と『HPVワクチン』(子宮頸がん予防)は定期接種になっています。(イギリス・フランス・ドイツも定期接種)

麻しん・風疹

最近では、大人の麻しんが流行していると話題になりましたが、2007年(平成19年)と2008年(平成20年)にも日本では流行しました。でも世界的に見てみると、南米大陸でも撲滅された病気です。そして先進国でももちろん撲滅している病気なので流行っているのはアフリカの発展途上国とアジアと日本というのが現状です。

なぜこのように麻しんが日本でひろがってしまったのでしょう?!

昔の日本では、幼い時に麻しんに感染して、感染することで免疫を獲得するのが当たり前でした。しかし、麻しんワクチンの接種率が上がったことで、自然感染する人は少なくなってきました。

そして、10代~20代の人たちの中には、まだ一度も麻しんの予防接種を受けていない人たちいます。そして予防接種では、一度で十分な免疫が獲得できるとは限らないので、麻しんワクチンを一回接種してだけでは、数%程度の人には十分な免疫がつかないことが知られています。麻しんワクチンをしていない人と、麻しんワクチンを一回しか接種していない人達が蓄積していたことが理由として考えられています。

そして麻しんの怖いところは、とても感染率が高いということです。そして合併症(肺炎・脳炎・中耳炎)を起こす可能性もとても高く、たとえ先進国の医療をもっても1000人に1人は亡くなるというのが怖い病気です。

風疹も、大人の20代~40代の特に男性の中に流行しているんです。なぜこの世代に風疹に罹るのが多いのでしょう?!

それは、国の政策がちょうどいろいろ変わっていた時で風疹の予防接種を受ける機会が無かった世代なんです。2013年現在で、風疹患者が報告されている数はなんと去年の36倍以上というすごい数字になっています。

別に予防接種を受けていないから、どうってことないし・・・。それに風疹なんて子供の病気でしょ?!と思っていませんか?

大流行中の風疹の患者の9割が大人です。しかもそのうち8割が男性なんです。

怖いのが妊婦さんが風疹にかかってしまうと、お腹の赤ちゃんに障害が出てしまいます。白内障・緑内障・身体や精神の発達の遅れ・難聴とかなりのリスクになってしまいます。

日本の予防接種の変わり目にもあたった年代が、ちょうど結婚や出産の年齢になってています。そして予防接種率が大変低い年代ということもあって、お腹の赤ちゃんにリスクになる可能性もとても高くなっているんです。

妊婦さんが予防接種すればいいじゃない?と思われるかもしれませんが、妊娠が分かってからの風疹の予防接種は出来ないんです。唯一妊婦さんが出来る事といえば、妊婦が風疹にかかないこと。これだけが唯一の予防策なんです。

予防接種で撲滅することができる風疹ですが、日本では大流行中。でも南北アメリカでは2004年に風疹の撲滅に成功しているです。オランダでも国民の98%が接種済み。日本では働き盛りの20~40代の男性ということもあるので、他の先進国から「風疹輸出国」とまで日本は言われています。

渡航先で麻しんや風疹を発症すると、帰国の飛行機に搭乗拒否されることもあります。そして渡航者だけではありません。同行者も搭乗拒否になります。

特に麻しんは空気感染・接触感染・飛沫感染と感染力がとても高いため、免疫を持っていない人が感染すると100%感染します。100%という高い数値がいかに感染力が高いかお分かりだと思います。

自分自身の身体を守るため、また他の人にも移さないためにも接種で防げる病気は、きっちり予防接種をしましょう!

風疹の予防接種を!

もっと詳しく、風疹の接種状況を見ていきましょう。

昭和37年4月2日以降~昭和54年4月1日生まれの場合・・・中学生の時に女性だけ学校での集団接種を行っています。※男性は接種していません。1回目の接種をしていても、2回目の接種なし。

昭和54年4月2日以降~昭和62年10月1日生まれの場合・・・中学生の時に風疹ワクチンの接種ですが、医療機関での個別接種ということもあるので、接種しているかはっきりしない人がいます。※個別接種で接種率が低い。1回目の接種をしていても、2回目の接種なし。

昭和62年4月2日以降~平成7年4月1日生まれの場合・・・1歳から7歳半までに1回目の風疹ワクチンか1歳から6歳までに1回目のMMRワクチン ※2回目の接種はなし。

平成2年4月2日以降~平成12年4月1日生まれの場合・・・1歳から7歳半までに1回目の風疹ワクチン全員接種済み。※2回目の接種は高校3年生相当年齢までにMRワクチン

平成7年4月2日以降~平成12年4月1日生まれの場合・・・1歳から7歳半までに1回目の風疹ワクチンを全員接種済み。※2回目の接種は中学1年生(13歳になる年度)にMRワクチン

平成12年4月2日以降~平成17年4月1日生まれの場合・・・1歳から5歳までに1回目の風疹ワクチンを全員接種済み。※2回目の接種は小学入学前1年間、6歳になる年度(年長に相当)でMRワクチン

平成17年4月2日生まれ以降~・・・1歳児にMRワクチンを全員接種。※2回目の接種は小学入学前1年間、6歳になる年度(年長に相当)でMRワクチン

MMRワクチン・・・麻しん・風疹・おたふく風邪を予防するワクチン

MRワクチン・・・麻しん・風疹を予防するワクチン

一度なったから大丈夫ではない

一般的に風疹は、一度かかったらもう大丈夫だと思われていましたが、そうではないことが分かっています。風疹の抗体が少なくなってしまうからです。

風疹の抗体があるかどうかは病院で検査すれば抗体価がわかります。風疹の抗体価標準は、16倍以上256倍以下が正常だと言われています。

でも、16倍あるから大丈夫ではないのです。64倍以上だと安心ゾーンになるので、16倍~64未満の場合はグレーゾーンになっています。一度なっているから大丈夫だと安心しないでください。

妊娠中に2度目の風疹に絶対に罹らないと言い切れません。予防接種しておければ、確実に防ぐことができます。自分の身体だけではなく、お腹の中に将来宿るかもしれない赤ちゃんを自分自身で守るため。そして他の人に移さないためにも、自分の生まれた年代を確認しておく必要があるでしょう。

自分が風疹にかかったという自覚症状がなく風疹になる場合もあります。

その数値は、妊娠1ヶ月で50%・2ヵ月で34%、4ヶ月で8%で自覚がなくても風疹にかかっていることがあるんです。妊娠5か月前までに風疹にかかってしまうと、ほぼまちがいなくお腹の赤ちゃんに障害が出るケースがとても高くなっています。

大人で風疹になってしまうと、子どもが発症するよりも症状は重たくなります。まれに脳炎や血小板減少性紫斑病などの合併症が、2,000人から5,000人に一人くらいの割合で発生することがあります。そして関節痛の痛みもひどくなり、仕事も1週間以上休まなくてはいけない場合もあります。別に妊娠する可能性もないし・・と思わずに、奥さんや彼女に移してしまう可能性もあるので、予防接種を受けましょう。これまでに風疹の予防接種をしたことがない。というのであればなおさらです。

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